1 「事務室だより」から「学校だより」へ
平成20年4月、校庭の桜は満開‥‥。選択音楽の先生から「今日の授業は外で行います。」と事務室に連絡が入ります。修学旅行が目前となったある日、3学年主任からは「5・6校時に修学旅行のシミュレーションを体育館でやりますから、見に来てください。」と事務室で仕事をする私に声がかかります。また、理科主任から「3時間目に豚の肺を使って、肺胞がふくれる様子を生徒たちが観察実験をしますので、取材に来てください。」との連絡を受け、授業におじゃましたり‥‥。
現在、私は校務分掌で広報係主任として『学校だより』の企画・編集・発行にあたっています。今年4月は新たな出発となりました。これまでの『滝中事務室だより』と『滝中だより(学校だより)』を統合させ、『学校だより 三葉柏』として発行することにしたのです。
保護者向け『滝中事務室だより』は、平成17年5月から20年3月までの3年間発行してきました。『滝中事務室だより』発行のきっかけは、前任校の学校だよりに平成15年度から「事務室から」のコーナーを設けていただき、学校事務情報を保護者や地域の皆様へ発信してきたことに遡ります。
平成16年度に本校へ異動し、学校だよりの裏面に「事務室からのお知らせ」をときどき掲載してきましたが、A4判1枚には記事が収まりきれず、17年度からは『滝中事務室だより』として、A4判両面印刷で発行するようになりました。発行していくうちにさらに紙面が不足し、3年目には13ページになってしまうこともありました。しかし、記事がないときには無理をしないと決めていたので、それほどの負担にもならずに発行を継続できたと思っています。
私が『事務室だより』の中で伝えたかったのは、学校で働く学校事務職員の仕事内容はもちろん、事務部として学校を支えている学校事務職員や用務員の仕事に対する熱い思いです。学校に勤務する全職員が「学校教育目標の具現化」という目的に向かい、子どもたちのために仕事をしているということ。それは、教員だけではなく、学校事務職員も用務員もすべての教職員がそれぞれの立場で頑張っているんだということを理解してほしかったからです。
『事務室だより』発行後、保護者からの感想が伝わって来なくて不安に思っていた頃、ある保護者から「事務室では、事務の仕事ばかりしているのかと思っていましたが、生徒たちと密接なお仕事をなさっているんですね。『事務室だより』を読んでよく分かりました。」との感想を聞きました。その時のうれしさは今でも忘れられません。『事務室だより』を通して、学校事務職員の仕事内容や仕事に対する思いが、ある程度保護者の方々へも伝わっていると、少し安心したものでした。
発行を重ねていくうちに、『事務室だより』の内容は、学校事務職員の仕事に関わる「人・もの・お金など」の情報に加え、私が保護者だったときには分からなかった校内行事の様子や生徒たちの日頃の頑張り、先生方の熱い思いなども知らせたいと考えるようになりました。「学校の様子をみんなに知ってもらいたい。自分の時間も惜しみ、生徒のことを一番に考えて仕事をしている真摯な全職員の姿を伝えたい。」という思いが強くなってきたのです。この時点で『事務室だより』というより『学校だより』の性格が色濃く出てきたのかもしれません。
[つづく‥‥]
コメント