年度替わり、そして月末から月初めのあれこれが一段落し、GWも明けてようやく本会の活動も本格的にスタートしていきます。会長として3年目を迎ることになりましたが、今年度も引き続きご協力よろしくお願いします。
また新しい体制になったわけですが、再任用の形で残ってくださる方あり、3年ぶりに戻ってきてくださった方あり、たいへん心強い限りです。
一方で、実に十数年ぶりとなる新採用の会員を迎え入れました。正直なところお互いに不安は隠せませんが、方部の方々を中心に全員でサポートしていくことも確認できました。
さて、総会後の研修会、自分としてはたくさんの方々のお話を引き出すことができて、まずまず納得の研修になったと思ってるのですが、与えられた時間は30分だったのに1時間以上取ってしまい、ほんとうに申し訳なかったと反省しております。当時の会長の顔などを思い浮かべながら得意気にしゃべってしまいました。誰かがそうさせたのかもしれません。
我々の「ステップアップ総合プラン」は何か特別なものではなくて、これまでの活動、田村の取り組みの在り方をまとめたものに過ぎません。20年30年、夢に向かってこつこつこつこつと続けている小さな取り組みがしっかりと息づいているものと思っています。
例えば、年度末の「ふりかえりシート」は忙しい中でたいへんだけれども、一度限りではなくもう何年も継続しているからこそ、自身の意識の変化、会全体の成果や課題の明確化、それらを認識した上での計画立案・実践へと、正にRPDCAサイクルを具現化して取り組んでいることが如実に表れているものだと、自画自賛ですがやはり強く感じます。
研修の中で、あえて新採用会員に今の心境を話していただきましたが、その様子などを見ると当時の自分と重なりますよね。あれから相当な年月が経過して、自分もこういう歳になったのだということを改めて認識させられたことでしょう。と同時に、もう自分たちがリードしていく、リードしていかなければならない、きっとそう感じたとも思うのです。
十代という若さには少なからず不安を感じるものですが、逆に自分たちがサポートしていく自信も湧いたのではないでしょうか。後輩を見ることで安心感を覚えたと思います。若い感覚も吸収させていただきましょう。
安心と言えば、3年という期間って長くも短いものだと知ることにもなりました。3年間ってそうなんだ‥‥。同世代から受ける安心感もありますね。
また、再任用の方の存在。定年は迎えても、やっぱり頼れる期待感は大きいもの。先輩にはそういう安心感を覚えます。
午後の研修。リアルに年齢・世代順に区切って、今後のすすめ方などについてグループ討議をしたのも大きな効果だったと思います。年功序列が必ずしも良いとは思いませんが、こうしたグループで見るとき、自分のポジションなどを認識します。もっと下の人が頑張っている。ちょっと上の人がもういなくなる。そうして自然に自分なりの責任も感じ取ってくれたのではないでしょうか。
午前と午後と、こうした研修を通していろいろな声を聴かせていただき、これまで以上に「世代交替の意識」というものを強く感じました。替わっていくことへの不安が少し薄れ、逆にずっと縦につながっていく安心感に自分は気づいたのです。
一方夜の懇親会では、定年前に退職なさった方も含めて、あの頃の懐かしい話がたくさん出てきました。それぞれが長いけれど、みんなうんうんと頷いてじっくり聴いている。
大先輩から受け継いだときの不安、期待。それらをみんなでつないできた長い歴史。あのときの不安が少なからず自信に変わっているかのような思い。それら全てが本会の成果であり宝物です。
早晩世代交替は必須、でもどうやって‥‥。実は不安ばかりだったのですが、会員全員の中にその感覚・意識が一層強まっているように感じている自分にも気づきました。もう大丈夫。
あの頃蒔いた種が芽を出し、坪庭にそっと植え替えるかのように育てました。一本一本が大きな木になり、ふと見上げるとそれが緑あふれる林になっていました。思うように広がったかどうかはわかりませんが、栄養分を仲むつまじく分け合って根っこが磐石の礎となっているのでしょう。
それをさらに豊かな森にしていくのは次の皆さんです。肥料はもちろん水も光も届くように、下草や下枝など無駄もなくし風通しをよくすると元気に育っていくものです。
そうしたことを考えて、そんな雰囲気を感じて、いつになく嬉しくおいしく楽しく幸せなひとときでした。
翌々日、あの当時の会長の訃報に接しました。総会当日だったとのこと。
総会会場の末席で、あるいは懇親会場の車座のすぐ隣で、いっしょにあの頃の話をしながら、そしてバトンタッチできそうなところを見て、ようやく安心して旅立たれたのかもしれませんね‥‥。
会報発行なども始まったことをとても喜んでくださったのを覚えていますが、偶然にも広報委員会創設時のメンバー3人が揃って告別式に臨みました。3人とも振替休日、それも奇遇なものです。
優しそうなあの笑顔の遺影に心安らぎました。お孫さん3人によるお別れのあいさつに、我々が見ていた在りし日の姿が重なり、涙が溢れました。
きっと最初で最後だと思いますが、大先輩へ敬意を表し、僭越ながら香典に会長の肩書きを書かせていただきました。
我々はしっかり受け継いできましたよ。そしてずっとつながっていく安心感もあります。しっかり受け継いでいく機運も近づいてきましたよ。
田村先生、どうぞ安らかに‥‥。
会長 橋本広治
コメント