5月19日(月)から21日(水)までの2泊3日の期間、自治研修センターにおける基本研修2に参加してきました。初日、「信頼される公務員」「時代の変化と意識改革」「メンタルヘルス」と3つの講話・講演があり、二日目以降が「自立的な学習能力の育成」としてキャリア開発研修でした。今年は複数の方が田村から参加しており、これからの方も数人いらっしゃるということなので、重複するかもしれませんが、キャリア開発研修において感じたことを報告させていただきます。
キャリア開発研修は、既に報告されているとおり、目の前の仕事をこなすだけになりがちな日常から離れて、様々なことを振り返ることから始まります。家族のことを考え、自分がこれまでにどんな仕事をしてきたか、その間どんな人と係わり合ったかを思い出し、今おかれている現状の中で自分は何ができるか、これまでの経験の中で獲得した専門性や知識をもとにこれからは何ができ、どうなりたいか‥‥、ということをまとめてキャリアビジョンを作成します。改めて自身の過去・現在・未来と考えるというのは意外に難しいもので、また、漠然と頭に浮かんだことをまとめて表現するということは更に難しく、苦悩しました。「あなたはどんな人ですか?」と聞かれれば、皆さんも恐らく悩まれると思います。
研修は準備されたテキストに沿って進められますが、その中で特に悩んだのが専門性に関する部分です。「あなたの専門性は何ですか?」この研修には、ご存知のように自治体職員から看護士、消防士と多様な職種の方が参加されています。一見簡単に答えが出せそうな職種の人も悩んでいるようでした。我々の専門性は何か。散々考えた末、私が出した答えは学校事務職員そのものでした。一言に学校事務職員と言いましたが、職場における有用性や希少性の観点から学校事務専門の仕事、すなわち給与、福利厚生、財務関係に関する知識や経験そのすべてが、職場に一人が故の希少性の高い専門的な仕事ということです。
このように、設問は単に仕事をどう変えたいか、職場でどのようなことに取り組みたいかという仕事本位のものだけではなく、そこに必ず自分の生活や得手・不得手といった個人の実情を含んでいます。これまで、私たちの研修というと制度(法規)や仕組み、組織の運営についてのレクチャーがほとんどでしたが、キャリア開発研修ではこれら知識や経験の他に個人の実情、コツやテクニック、支援者や協力者のような人脈も含めて目指すキャリアビジョンを作成します。ただし、過去・現在・未来と本質的な仕事の内容が変わらない中で、どう回答すればよいか悩む場面も多かったように思います。
今回の研修で私のグループには福島市、いわき市、須賀川市、病院局の方がいらっしゃいました。職場や仕事の内容によって満足度が大きく変わることがあったり、家庭の事情で思うように仕事に取り組めなかったりと、それぞれの実情についての話を聞きました。自身も過去に異動や取り組み課題によって満足度が上下し、その時々の苦労や周囲の人々の顔を想像しながら話を聞きました。このグループで研修期間中、互いに発表し、意見交換を行う中で感じたのは、市民・県民と呼び方は違っても誠意を持って取り組もうという意欲でした。今回の研修で行ったような振り返りを時々しながら、苦手なことも克服し、少しでもビジョンに近づけたらと思っています。
[KK]
コメント