ちょっと出かけた帰り道、何となく遠回りしたら、小さなリスが目の前を横断していきました。誘われるようにハンドルを左に切ってさくら湖のほとりにある向山公園へ。もみじ狩りにはちょっと遅かったけど、天気が良いのであちこち歩き回りました。
イチョウのような黄色い葉になったクヌギの木。寄らば大樹の陰ではありませんが、でっかい木にもたれるようにして上を見上げるって、なんか気持ちいいです。
それとは対照的に、青い空にこぼれる桜の花が、何か春先を思わせるようでもありました。もう少しあちこちに咲いているのだと思っていましたが、意外にもこれ1本しか見つけられなかったなぁ。
ダム湖ができて何年になるだろう。公園ができて何年になるだろう。それ以前からどんどん工事は始まっていたから、この切り株はもう20年以上風雨にさらされていると思います。すっかり朽ち果てつつもしっかりとした存在感を出しています。クヌギはずっとそこに立ち続けてこのあたりの大きな変化を見てきたことでしょう。桜はダム湖を見て育ってきたことでしょう。ずいぶん育っています。切り株は‥‥ダム湖に沈んだこの地域の最後の姿を見て、きっとそこで止まったんでしょうね。その記憶も、いずれ消え去っていくのかもしれません。
自分も何年か前までは、そういえばこのへんにあんな道路が通っていたっけと、何となく思い出せたものですが、今はもうその頃の風景がほとんど蘇ってきません。写真って大切だなぁと思うと同時に、自分の記憶も徐々に切り株のようになっているのだなぁと、しみじみしてしまいます‥‥。そう思うと、この切り株も何だか人の顔に見えたりするから不思議です。
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