今年の夏は、各地で豪雨による被害が相次ぎ、多くの尊い命が奪われ心が痛みます。被災された地域の一日も早い復興と、亡くなられた方々のご冥福を祈るばかりです。
さて、今回は「マネジメントについて考える」です。最近の研修会や研究会で必ず聞かれる「マネジメント」。そもそも「マネジメント」とは起業家の間で多く使われる言葉で経営に必要な方策のことですが、これを理解するのには結構難しいものがありますね。
3・4年前にベストセラーとなり話題になった「もし高校野球の女子マネージャーが『ドラッカーのマネジメント』を読んだら」を、「マネジメント」と「ベストセラー」という言葉に惹かれ、興味深く読んでみましたので紹介します。
病気の友人の代わりに、公立高校の弱小野球部のマネージャーを勤めることになった主人公の女子高生が、マネージャーの仕事を理解するために、書店で薦められるままに「ドラッカーの《エッセンシャル版》マネジメント〜基本と原理〜」を手にします。が、野球部のマネージャーの仕事を理解するのには程遠く、後悔することになります。
気を取り直し、何とか利用できないものかと読み進めるうちに、「マネジメントに必要な唯一の資質は真摯さ」という言葉に衝撃を受け、意識改革をすすめながら「野球部を甲子園に連れて行く」という目標を掲げ、奔走します。
・あらゆる組織において努力を実現するために不可欠な「組織の定義付け」のための
「顧客は誰か」ということ。
・「マーケティングは顧客からスタートする」ということ。
・「成果と働きがい」を追求するためには、仕事に責任をもたせること。
・「社会に対する貢献」を視野に入れること。
主人公は「マネジメント」で学んだことを野球部の運営に当てはめ、部を良くして行く方策を講じながら、快進撃を繰り返し地区予選の決勝にまで上り詰めていきます。
内容的に少し無謀だと思えなくもないのですが、「マネジメント」の入門書としては、たいへん興味深く、楽しくわかりやすく読み進めることができると思います。
ちなみに、主人公は「野球部の顧客は誰か」に対して、お金を出してくれる保護者や学校、応援してくれる生徒、東京都、高野連、全国の高校野球ファン、そして実際にプレーをする野球部員。「野球部の定義」は顧客に対し感動を与える組織。としました。
「学校の使命は何か」、「学校の顧客は誰なのか」、「顧客は何を価値としているのか」、「成果は何なのか」、「われわれの計画(定義づけ)は何か」を考えてみると、いろんなことが見えてきそうです。
会長 林 みどり
コメント