ステップアップ講座IVでは、「東日本大震災を経験して」をテーマに、震災の際に浜通り地区に勤務していた3校の方々から体験発表がありました。
津波により原形をとどめないほど壊されてしまった校舎のスライドを見たときの気持ちは、ことばには言い表せません。親戚や友人を亡くした子ども達、原発事故により避難場所を転々とし、また家族と離れ離れにならざるを得なかった子ども達や保護者の苦悩、そして自分も被災者でありながら過酷な勤務にあたり続けていた(そして今もあたり続けている)教職員の思い、厳しい現状‥‥。「もし自分だったらどうしていただろうか」、「今後どのようなことをしていかなくてはならないのか」ということについて、真剣に、そして具体的に、しっかり考えていかなくてはならないと改めて強く感じました。
3人の方のお話の中で、特に印象に残ったのは以下のことばです。
- 「避難するとき、生徒名簿を持って避難した。津波ですべて流されてしまったので、自分が持ち出した生徒名簿がその後の安否確認に大変役立った。」
- 「保護者にお金の心配をさせないことの大切さ。保護者も仕事の不安を抱えている。就学援助制度について丁寧に説明することに心がけた。」
- 「学校は避難所になる、ということについて、どれだけ備えているだろうか。」
- 「日頃から、自分が持っている情報(備品の数や置いてある場所等)は先生たちに知らせているつもりだった。しかし、知らせるだけにとどまらず、みんなで共有するところまで行かなくてはならないと感じた。」
- 「さまざまな背景をかかえている(かかえてしまった)子ども達。でも、せめて学校にいる間は、子ども達が安心感を得られるような雰囲気をつくっていきたい。」
参加者からも、感想や意見、震災時や震災後に実際に体験したことについてなど、大変貴重なお話がたくさん出されました。今回のことを教訓に、「もし自分の学校が避難所になったら‥‥」「校舎が倒壊したら‥‥」「家族と離れ離れに暮らす子どもがいたら‥‥」など、具体的な事案について想定し、全職員でじっくり考えていきたいと思いました。
設備面など、校内だけではどうしようもできないことについては、今後も情報交換をしながら、関係各機関等と連携しながらすすめていかなければならないと感じました。
午後からは、学校間連携、教育委員会との連携・協働等に関し、研究推進委員会より「学校事務連携モデル案」についての説明がありました。あわせて各地区の現状・課題等についての報告、情報交換が行なわれました。
「学校事務連携モデル案」については、今後各地区でも十分検討してほしいとのことでした。事務研HPや配布された資料等をもう一度読み返し、しっかり考えていきたいと思いました。
[渡邊]
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