東海事務研からの発信! 支援から実現へ
-子どもたちを、みんなを、笑顔にする学校事務-
(東海事務研)
1 発表の概要
東海4県が協力して開催した全国大会を機に設立された東海事務研ですが、長く続いてきた活動を改めて見直す意味で、4県それぞれの「今」を発信する場と捉えての発表でした。それぞれに研究テーマや手立てがあり、研究の切り口は違っていても、子どもの豊かな育ちの実現という目指すべきものは同様に存在しています。広域的な情報共有の意識や一体感などを強みに、今後も互いに刺激し合い、認め合いながら、次のステップへすすんでいきたい、というものでした。
(1)岐阜‥‥生き活き学校事務構想
標準的職務、共同実施や地教委との連携についての研究を深める中で、より具体的な取り組み方を示すためにまとめたものが「生き活き学校事務構想」です。4つの視点、12の取り組み項目とそれぞれの具体的な課題などで構成されるこの構想に加え、さらに具体的な手立てを明記した「課題別マニュアル」を作成しました。
(2)静岡‥‥しずおかコスモスプラン
「しずおかコスモスプラン」は、県事務研長期活動計画を見直し、研究の主体を事務研から個人に移行して作成されたものです。学校事務職員の職務および学校事務職員の目指す姿を明確にし、自己啓発と学校事務改善をすすめることの重要性が、「"こ"どもたちを"す"こやかに"も"っとステキな事務職員に"ス"テップアップ」のタイトルに込められています。
(3)愛知‥‥パートナーシップと3tor機能
学校事務職員が、管理者(administrator)、促進者(facilitator)、調整者(coordinator)の3つの「tor」機能を発揮して、学校・地域・行政の連携の中で強固なパートナーシップを構築し、学校運営に安定・発展をもたらすことを目指すという研究です。
(4)三重‥‥共同実施と学校経営品質
平成18年度から本格実施となった「共同実施」についての現状報告です。グループリーダーの専決事項をはじめとした法的整備状況、共同実施の形態と業務概要などを踏まえ、共同実施以前から取り組んでいる「経営品質」について、「振り返りシート」などを活用しながら共同実施にも取り入れていこうとしています。
2 研究協議・パネリストから
・愛知‥‥学校評議員から「学校事務研究会から脱却し、学校事務担当者会へと転換していくべきではないか」と指摘された、との話が印象的でした。
・静岡‥‥経験の浅い会員に、事務部経営案の作成など、できるだけ実践発表の機会を与えているそうです。経験者はできるだけ初期の段階からそこに関わっていくことによって、お互いに刺激を受けながらより意欲が高まっているとのこと。ぜひ参考にしたい取り組みだと感じました。
○学校事務の課題は学校事務職員だけで解決することができなくなってきている。さまざまな組織・機関との連携・協力体制確立が必要。
○事務職員の思いをいかに長く持ち続けられるか。それはエゴではなく、広く理解されたものであること。
○学校経営参画に向けての合い言葉は「マネジメントでWinWinな連携を発信スッペ!」
マネジメントで(一人職の苦手なところ)WinWinな(一方ではなく双方に効果があること)連携を(誰を誰と)発信(大きなものをイメージせず小さな取り組みを広く伝え積み重ねていく)スッペ!(方言。スペシャリストと捉えて)
3 感想
「生き活き学校事務構想」「コスモスプラン」「3つの"tor"機能」「共同実施と経営品質」、いずれも細かい実践は大差ないのではないかと思われます。この4県も福島も田村も。しかし、いかに体系的に整理してすすめるか、いかに意識してすすめるか、いかに組織的にすすめるかがポイントであり、それによって差が生じてくるような気がします。
取り組みをしっかりまとめ、目標を明確にして、具体的な手立てを示し、共通の課題意識で連携を強めながら取り組んでいかなければならないと改めて感じました。グッと引きつけるような内外それぞれに向けた組織ぐるみの広報活動も重要になってくるだろうと思います。
[橋本]
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