県教委の研修体系が若干変わりました。今回で2度目の自治研修センター研修受講となった会員に、基本研修2の様子をまとめていただきました。
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□信頼される公務員
県内自治体職員の主な不祥事についての紹介があった後、汚職に手を染めてしまった事例に関するビデオを見ることから始まりました‥‥。
「住民との信頼関係が成り立たなければ、どんな公務も成り立たない。節度を超えた日常生活が汚職に走ってしまうきっかけになることがある。勤務態度だけではわからない(見えてこない)部分もある。職場の風通しを良くし小さな変化も見逃さない、また汚職の種になってしまう要因(推測されやすいパスワード、周囲や日々の出来事に無関心になってしまうこと、○○さんに限ってそんなことないだろう、のような思いこみ)を作らないという努力も大切です。」というお話がありました。
□時代の変化と意識改革
「NPOと自治体のパートナーシップ ー市民社会における自治体 職員ー」
行政・企業・NPO(市民)がそれぞれの持ち味を生かし持ち寄り、上下関係ではなくお互いを認め尊重し合いながら住民のためにサービスを提供していこう、というお話がありました。
仕事とは、これがないと困る・これがあった方が誰かが喜ぶ、と思うことを見つけ、それを世の中に作り出すことですよ、という講師のかたの言葉が印象に残りました。
□メンタルヘルス
ストレスとは何か、ストレスを乗り切るには、どのようにストレスに対処しているかなど、具体的な事例を示されながらのお話がありました。
ストレスの感じ方は人それぞれで、そのストレスを自分のなかでどう位置づけ意味づけるか、そしてそのストレスにより自分がどう関わるか(逃げる・無いことにする・積極的に向き合うなどなど)、多様な反応パターンを持っていると、ここぞというときに強いですよ、とのことでした。
ストレスを感じる、というのは、それ自体のインパクトの強さではなく、今その状況を自分でコントロールできない、ということを学習してしまうからだそうです。苦しいけれどその状況は「自分でコントロールしていけるんだ・コントロールできるんだ!」という感覚(思いこみ)がとても大事なことなんですよ、という言葉が印象に残りました。
□自律的な学習能力の育成(キャリア開発研修)
3日間の研修のうち、2日を占める研修です。この研修では、自分は仕事生活の中で何が出来るのか、何をしたいのか、何をやらねばならないのかを問いかけ、今後どのように自分を活かすことがもっとも自分らしさの実現につながるのか、そして自分に不足しているスキルは何かを考え、自分の目指す姿(キャリアビジョン)に向かって今後どう進んでいけばよいか、ということについて学んでいきました。
まず、今まで自分が「やってきたこと」を振り返り、今後自分が「やれること」「やりたいこと」「やらねばならないこと」を自分の「能力」(専門技能・知恵、知識、人脈)から整理分析し、自分の特性(組織貢献タイプ)を把握します。次に自分の所属する自治体を取り巻く環境について分析し、それによって将来生じてくるであろう環境変化を予測しました。その今後の変化を予測し、自分が持っている能力(キャリア)をフルに活用し、仕事の上で生み出したい効果(ビジョン)をシートにまとめました。
頭の中になんとなく描いていることを視覚的(目に見えるかたち)に表現する、という作業は、実際とてもきつい部分がありました。なんとなく、ということは、自分の中でまだ不確定な部分・あいまいにしていた部分があるのですから…でも、人間は言葉で思考する生き物だから、言葉にできる、ということは大切なんですよ。言葉にすることで限定されてしまうこともあるかもしれないけれど、おそれずに言葉にしてみましょう。という講師のかたの言葉が心に残りました。
また、「能力」のなかには人脈も含まれる、というのも興味深かったです。まさしく事務研のみなさん、職場で出会ったみなさんは大切な財産・能力なんだ、と思ったらとても力強く感じました。
「日々の仕事を学びの場にしてください。その中にこそ最良の成長機会があります。自分で自分をコントロールし(自立・自律)、これからの仕事生活を自ら切りひらいていってください。そして、できるだけ多くの行動を実行してください。その行動が様々な偶然の出来事を生み出し、今後みなさんのキャリアにとっての貴重なチャンスとなりますよ。」としめくくられました。
□感想
3日間家を空け職場をはなれることに不安がなかった、といえば嘘になってしまいます(研修1日目、息子が学校を早退してきた、と母からメールがありました…)が、普段なかなか聞けない講義をきけたり、なにより他職種のかたのいろいろなお話・経験談を伺うことができたのが勉強になりました。みなさんそれぞれの職場でそれぞれの課題に向かって取り組んでいるんだな、ということがひしひしと伝わってきました。
また、今回の研修時に何度も聞かれたのが、「自分で自分をコントロールしていこう」という言葉でした。だれのものでもない自分という存在を受け入れ、責任を持ち、少しでも社会に貢献出来るような仕事をしていきたい、少しではあるけれど自分が持っているもの・得たものを活かし、また自分に足りないものを素直に受け入れ、少しでも改善していけるよう、ちょっとずつ進んでいけたらと思います。
今後仕事をしていく自分、そして一個人としての自分を見つめるきっかけを頂けた研修でした。
[WK]
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