4 生徒アンケートと学校だより
私が赴任した当初は、理科実習費を毎月徴収していましたが、翌年から廃止しました。公費での支出が可能だったからです。また、技術家庭科実習費や美術科実習費も数業者から見積書を取り、一番安価な業者から購入し、保護者負担の軽減に努力しています。これらのことも『事務室だより』や『学校だより』に掲載してきました。
また、毎年生徒アンケートを行い、その集計結果を『事務室だより』を通して生徒や保護者に公表してきました。生徒アンケートのねらいは、生徒の立場から教育環境について多くの意見や要望を聞き、教職員と共に自分たちの学校づくりを考えていこうというものです。生徒自ら教育条件整備に参画することで、公費や公共物の意識を持ち、ものを大切にすることを自覚するとともに、修繕費用を減らしたり、ものの節約についても考えていってほしいと願って行っています。
アンケートでは、毎年生徒たちからさまざまな意見が出され、普段は気がつかない細かいところまでよく見ているなぁと感心させられます。子どもたちが毎日生活している学校は、教育や学習の場であると共に生活の場でもあります。全生徒に快適な学校生活を送ってもらいたいというのは、学校の願いです。
学校が現在困っていることを外部へ発信し、みなさんの協力を得て改善してきたこともあります。例えば、美術室の机の天板。机が古く傷や穴が開いていて、その上で画用紙に描いていると紙に穴が空いてしまうほどでした。それを聞いたある工務店さんが、無償で交換してくださったのです。
また、トイレの悪臭にずっと悩まされており、生徒アンケートでも多くの生徒たちが改善を要望していました。そのことを『事務室だより』で報告するとともに、予算要求時には、市教委に生徒たちからの要望を含めてお願いしたところ、翌年には各トイレに大型換気扇が設置されました。
私は、卒業生が遊びに来た時に書いてもらうために準備している用紙があります。それは「先輩から後輩へのメッセージ」というものです。高校に入学してからの気持ちなど、後輩が役に立ちそうな情報を書いてもらう用紙です。
8月上旬、久しぶりに事務室に顔をみせてくれたのは高校3年生の男子。この日も、自分の経験談や高校受験の心構えなど、紙面いっぱいに書いていってくれました。かつての中学校生活の話題にふれ、当時を思い起こし懐かしさでいっぱいになりました。
高校卒業を前にした彼の将来設計の話を聞き、しっかりした考え方に驚くと同時に、中学校時代に先生方が指導してきたことがしっかりと彼の生き方や考え方に反映されていることにも驚きました。書いてくれた内容のすばらしさに、『学校だより9月号』で知らせたいと考え、本人に確認すると「いいですよ。」とのこと。書いてくれたものを、かつての恩師(現在3学年主任)へ見せると、夏休み明けの学年だよりにも掲載したい具体性のある内容であると喜んでいました。
[つづく‥‥]
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