総会・懇親会を終えた正にその夜に発生した熊本・大分地方の大地震。ただただ心が痛みます。じっと耐えるだけだった3.11のあの時の不安が蘇ってくるようです。しかし我々がこうして元気で生きているように、今すぐとはいかなくても、熊本・大分もきっと復興を遂げていくことでしょう。これまでにない余震が続いていますが、我々はしっかりと見守りながら、いざという時の支援も考えていかなければならないと思っています。
さて、東日本大震災から5年余が経過して、振り返ってみれば小・中学校では震災前のような教育活動がすすめられるようになりました。もちろんまだまだ戻っていないことも少なくはないのですが、それでも前に進もうとする姿勢が一段と強く感じられるようになってきたように思っています。
ここまで自分たちはいったい何をしてきたか‥‥。それぞれがしっかりと生きてきたことは確かですが、ひとりでは何もできない、みんなで助け合っていこう、そうした思いで絆をしっかり結んできたそのおかげなのではないでしょうか。何事も「力」を合わせるということですね。
ようやく完成した「夢をかたちにステップアップ総合プラン」ですが、昨年度から本格的な活用が始まりました。何かが変わったわけではなく、これまでの・これからの活動に対する思いも感じながら、折に触れて参考にしていただくことを期待しているものです。
年度初めにあたり、とりわけ意識してほしい「みっつの『ち』から」ということについていっしょに考えてみましょう。
1 英知(すぐれた知恵)
それぞれが学んで得る知識はすばらしいものです。それはさまざまな経験に触れるなどして実生活や実務に活かされ、知恵となります。それらがたくさん集まったらどんなに心強いことでしょう。ぜひこの会で活かしてほしいと考えています。我々が集まって活動をするのは、つまり英知の結集に期待するからだと思っています。
英知をまとめていく研修活動とは、必ずしも受けるもの・受ける場だけであるとは限りません。研修を企画する立場、講師としての立場、受講する側でも事前準備・事後のシートやアンケートなどへの記入などなど、全てがそのチャンスなのです。そこも意識して取り組んでいくことによって、どんなことでもその高まりが期待できます。
2 形(思い描くこと)
一貫して「夢をかたちに」にこだわってきた田村地区事務研です。小さくてもコツコツと積み上げていくことだとも言ってきました。耳にタコができてはいませんか?
いずれにしても「夢」をもつことが大切です。完全なものでなくても、目標を自分なりに思い描いてみる、イメージすることが全てのスタートになります。何かが頭に浮かんだ瞬間から、夢は一歩かたちに近づきます。大小の研究活動が始まるんです。
挫折したり、あきらめたりすることもあるでしょう。動くからつまずくのです。つまずくから立ち上がるんです。動かずつまずかず、そこで夢は描けるでしょうか。思い描くということは、動き出す、すすめていく前向きな姿勢なのだと思います。
3 気持ち(熱いうちに)
意識する、前向きな姿勢、じっくりコツコツの「ひたむき」な活動も、ともすれば「したむき」な活動になりかねません。訛ってるだけと笑っている場合ではないですよ。
活動に熱が入れば入るほど、専門性が高まりその質も向上していくものですが、一方で我々事務研だけの深い世界に入り込んでしまう危険性もあります。直向きな活動が報われないと嘆きついつい下向きになってしまった経験はありませんか? そして冷めてしまう。
気持ちの熱いときこそ、冷静に客観的にものごとを捉えなければなりません。だから外に向かってその思いをつたえていくことが大切なのです。冷めてからでは遅い。そこは熱いうちに。ラブレターも後で読んだら恥ずかしいもので。でも熱いからこそ思いは通じるのです。
我々の取り組みは、英知から、形から、気持ちから、みっつの「ち」から始まるのではないかと考えてみました。それは取りも直さず「まとめる(研修)」「すすめる(研究)」「つたえる(広報)」というこれまでの三つの基本活動に他なりませんが、「ち」から始める取り組みの成果というものを考えながら活動に当たってみましょう。きっと大きな「ちから」になると思うのです。
恩返しというのもどうかと思いますが、震災で受けた支援を今度は逆の立場で考えなければなりませんね。我々を育ててくれた事務研も、1年1年今度は育てていく側の立場・意識になっていく必要もあります。具体的なことではなくても、経験をしてきたからこそわかる支援の在り方なども重要です。
会長交代というのは必ずしも前に前に進めるとは限りません。何せ後退ですから‥‥。冗談はともかく、何事もひとりでは厳しいことばかり。手を取り合い絆を強め、今こそ「ちから」を合わせて乗り切っていただければと思います。
最初のあいさつから、長々とくどい話で申し訳ありません。先が思いやられるなぁとお思いでしょうが、何とか1年間よろしくお願いいたします。
会長 橋本 広治
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