田村地区では、県事務研究大会参加にあたって、毎年「事前研修会」を開催し、発表内容に対する質疑や、田村あるいは各校の課題等を、分科会ごとに整理しながら大会に臨んでいます。
今年度の事前研修会は、8月2日(木)・地区事務研夏季研修会の折りに実施しました。それぞれが申し込んでおいた分科会ごとに分かれ、届いたばかりの研究集録をまず読むことから始めましたが、分科会ごとの詳細は次のとおりです。
■第1分科会
○会計事務システム化をめざして(研究推進委員会)
この分科会は学校における私費との関わり方や、それを含めた形での学校財務取扱要綱の制度化推進を中心に考える分科会です。
まず分科会参加の動機と各学校の課題を出してもらう形ですすめました。集録に収められている内容が概要だけだったため、具体的な内容までは読み取れない状況でしたが、当日資料への期待やそれぞれが抱えている課題を把握することができて有意義な時間でした。
各学校での課題は概ね以下のとおりです。
・学校事務職員が私費会計に関われない学校が多数ある。
・集金口座振替の技術的な問題点について対応できない。
・未納のこと。
・集金内容の精選と公費私費区分について明確でない。
・学級費の問題点。
・斡旋注文の問題点。
これらの課題について、当日質問や発言をしながら学校財務取扱要綱や予算委員会の設置など、課題解決への糸口を探る必要があることを話し合いました。
[SH]
■第2分科会
○望ましい学校教育予算と予算執行にかかる財務会計実践研究(相馬)
いただいたばかりの研究集録を開いて、数値データの豊富さにびっくり! 教育費について公費と私費との割合が示されていましたが、これこそが「教育予算資料」の一部となるものなのだと考えさせられました。
話し合いの中では、このような数字が出てくると学校のさまざまな会計の総額がわかったり、教育委員会に予算を要望する際に目に見えるデータとして活用でき、より説得力のある内容になるのではないかという意見がたくさんありました。
研究の概要には、「『学校教育予算資料』作成の取り組みと成果、及び私費会計事務の実践を紹介する」とあります。合併して市になってから公費がかなり苦しい状況にある中で、少しでも有効に予算を活用できるよう、「望ましい学校教育予算」を目指すうえでの参考にしたいと思っています。
集録では数値データが主となっているので、具体的な取り組みの成果や実践例についての話を聴くことができるものと期待しています。
[MK]
■第3分科会
○効果的な備品管理の一手段(郡山)
-パソコンを利用して備品配置図を作成しよう-
たくさんの備品を管理しなければならない学校ですが、各校の備品管理の実態などを中心に、この分科会に参加しようと思った理由などを出し合いながら、それぞれの課題を明らかにしました。統廃合が目前に迫っている学校もあり、情報交換の良い機会でもありました。
現在田村地区では、おおむね旧船引町のデータベースシステムを利用しながらすすめていますが、各市町ともに備品管理システム等の整備に取り組んでいます。町村合併によってその整備が急がれている田村市の整備要領が特に待たれているところですが、こうした備品配置図がデータベースとリンク可能なのか、また、データ管理ではなく備品そのものの管理となる備品照合作業がなかなか思い通りにすすまない実態などからも、興味深い発表だと思っています。
[IA]
■第4分科会
○行政との連携における学校事務改善と標準化に向けて(企画推進委員会)
-市町村合併に伴う課題解決のための実践と展開-
事前研修会当日配布になったばかりの集録をそれぞれ読むことから始めました。田村市の合併に際しての発表もあることから、予想される質疑や発表の工夫なども含めて、活発な意見交換がありました。
個人的なことになりますが、市町村合併に関して、当事者ではない自分が全く“蚊帳の外”状態であることに少し不安がありました。実際、同地区内とは言え「田村市」のこともよくわからないというのが本当のところです。この機会に「田村市」の学校事務の現状などを知りたいと思ったのが、参加を希望した第一の理由でもあります。広く考えれば、他地区・他市町村の状況についても同様で、同じような思いで参加する会員は少なくないのではとも思います。
研究協議の大まかな内容を把握することができたので、集録を読むことだけではわからなかったことなどを当日の研究協議から得て、今後の仕事に活かしていきたいと思っています。自治体の合併ではなく小中学校の統合問題が身近にあるので、町教委との連携の在り方などについてもぜひ学びたいという思いもあります。
[GY]
それぞれの職場や地区の状況を踏まえ、課題を明確にして研究協議に臨むことで、研究発表をよりリアルなものとして聴くことができます。それは課題解決の方向性を探り、さらには具体的な方法を見つける上でたいへん重要なことだと考えています。
それぞれがどのような成果を持ち帰ることができたか、それもまた重要なことですが、研究大会分科会報告については、後日改めてお伝えする予定です。
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