帰りはとりあえず北東の方向に向かって走る。結局降らなかったなぁ、帰ったら家の中暑いだろうなぁ‥‥なんて思う。途中から今度は北西方向に進路が変わる。さっきまでの空は一変し、黒い雲が街を不気味に覆い尽くそうとしている。
夕方6時、ちょうど役場前。これは来るなぁ‥‥。スーパーでの買い物は取りやめることにし、途中のコンビニで間に合わることにした。
空はなお黒く街は暗くなるばかり。フロントガラスにはぽつりぽつりと水滴が‥‥。ほどなくバタバタと勢いよく雨が降り出した。雨といっしょに土ぼこりまではじける渇いたアスファルトも、あっという間に梅雨の風景に戻ってしまう。
よし、とにかくサッと済ませてきて‥‥とコンビニの駐車場に車を止めた途端、正にバケツをひっくり返したような雨になった。ビニールホースで思いっきり水をかけるように、ただただ雨が勢いよく流れ落ちていく。そういえばこんな雨久しぶりかも知れないなぁ、梅雨なんだもんなぁ、なんて妙に納得したりして‥‥。
弱い稲妻が光った。雷鳴はまだ遠い感じ。雨はものすごいけど雷はまだだ、急げ急げと待つ時間の長いこと‥‥。
っしゃぁ、行ぐぉぞぉ! と急に勢いづくオレ。道路は浅い轍がすでに川のようになっていて、ものすごい水しぶきを立てて走っていく。「うわっ!」周囲が真っ白に光ってすぐに大きな雷の音。近くに落ちたんじゃね?
すぐに家に到着したけど、雨は収まる気配がない。ダッシュで家に入りようやくホッとする。荷物を下ろした瞬間またものすごい雷。すぐ隣じゃないかってくらい近くで鳴り響いてる。そんなバキバキと乾いた音もやがてドドーンと遠くで響くようになり、あたりが明るくなってきた。腰を低くしてどこかに隠れてしまっていたげんが、そろそろと姿を見せる。これで一段落だなと思う。
こんな雨も雷も望むものではないけれど、これもまた梅雨だからこその天気だもんなぁ。野分のまたの日ではないけれど、バケツをひっくり返したような日のこういう風情もまたあはれにをかしけれっす。テンション高い自分も含めてね。落雷に遭った方にはただだたお見舞い申し上げるしかないのですが‥‥。
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