あの頃、スクリーンセイバーは必須ユーティリティだった。フライングトースターがパタパタと音を立てて黒い空を飛んでいく。スポットライトの明かりが真っ暗なデスクトップを小さく照らし出す。極めつけは鮮やかな色の熱帯魚たちがゆったり泳ぐ海の中‥‥。SE/30の小さなモノクロ画面でもそれは見事な世界だった。が、カラー画面を見てしまうと感動は16倍、256倍、32,768倍とかに膨れ上がってしまって、ついついLCシリーズなどを買ってしまった人も少なくないだろう。Macではなく旧き良きMacintosh時代の話だ。
Macintoshと言えばシミュレーションもの。この熱帯魚たちはやがてAQUAZONEって専用ソフトウェアに発展した。ゴルフのシミュレーションゲームも一時はまったなぁ。変わったところではLife & Deathか。外科のインターンになってメスを入れる‥‥ちょっとイヤだったなぁ。あれはモノクロだからよかった。Prince of Persiaはシミュレーションとは微妙に違うかもしれないが、ジャンプのタイミングを誤って奈落の底に落ちるあのふぅっとした感覚がなぜかリアルだった。ましてやそこに‥‥これ以上は控えよう‥‥。
家族中で楽しんだのはインディジョーンズだった。インディの持ってる手帳(を模した冊子)が付いてくるんだけど、それを見て謎解きしながらストーリーをすすめる。ちょっと戸惑ったときは手帳を見ると何かヒントが書いてあることもあって助かったりした。全部英文ではあるんだけど、ヒントらしいところは何となくわかったんだな。でも、息子はその手帳の英文を父ちゃんが解読してやっているものだとばかり思っていたそうだ。いったいいつ気付いたことやら‥‥。
やがてMacintosh LC475を開けて半田ごてを使うことに目覚めた。Life & Deathの成果がこんなところに現れたかと大笑いしたものだ。コンピュータいじりに興味を覚えて、そうしたゲームをしなくなった。その後はもう正しい?Macintosh道を歩くことになる‥‥。
さて、MacintoshではなくMacになり、今やiPhoneの時代だ。日本での売れ行きが芳しくないそうだが、まぁそれはそれで別にどうでもいいっちゃどうでもいい。売れるかどうかはやっぱりソフトウエア次第だろうと思う。
iPhoneのおもしろさはアップデートにより確実に機能向上が図られていること。それっきりではないことだとちょっと思ってる。それに加えて好きなアプリケーションをどんどん追加していけること。最初は即日買って失敗したかも‥‥なんて若干凹んだりもしたけれど、今はiPhoneに恋してる‥‥とまでは行かないが、自分なりに楽しめてるし使えてるような気がしてる。
恋と言えば、App Storeであれこれ物色してるうちに「Koi Pond」ってソフトを見つけた。平均レートが5つ星中4.5星のレビューを読むとほとんどが大絶賛。自分これまで無料ソフトしか使ってなかったんだけど、清水の舞台から飛び降りるつもりで(たったの)115円のそれを購入しちゃった。
要するに、鯉が泳いでいるのを眺めるだけの癒し系シミュレーションソフトだ。眺めるだけじゃなくて、鳥やカエルや虫の鳴き声も、風の音も聞こえてくる。飽きてきたらエサをあげたり水面をチャポチャポやったりできる。もうすっかり鯉に恋しちゃってるぅみたいな感じぃ(やや古いか)。
これを見て思ったのが実はAQUAZONEだ。池の鯉もいいが、水槽に見立てたiPhoneで熱帯魚を飼うってのもいいんじゃないか。なんて思ってる頃にはすでに開発が進んでるような気はするけど、そうしたら、あの頃MacintoshがヒットしたようにiPhoneも少し売れ行き伸びるかもだなぁ‥‥。
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