デジタルカメラを使い始めたのは5年半ほど前のことです。飼い始めた猫の写真を撮ろうじゃないか、そんなノリでコンパクトなデジカメを買ったのでした。それまでにも何度となくデジカメ買おうと思ったことはあるんですが、さほど便利じゃない、画質が良くない、自分の中でそうしたマイナスなイメージが少なくなくて、結局買わないで来たのでした。
なぜマイナスイメージかと言えば、実はさらにその7年ほど前に、デジタルカメラなんてまだ知られていない時代に、Appleから発売されたものをすでに使っていたんです。今から12〜13年も前の話ですから、たった35万画素の画質はひどいし、保存は遅いし、Macとつないでコピーするのが意外と手間かかったし、とにかく電池のもちが悪かったんです。せっかくウォーキングなどに持っていっても、十数枚も撮ればもう終わりでしたから。これがデジタルカメラなのだとインプットされてしまったんですね。
だからって、ひどいものを買ったものだとは思いませんでした。いくら遅いとは言ってもフィルムのような日数はかからないし、容量制限はありますが、撮って消してを繰り返すことができて経済的だし、とにかく画期的ではあったんですね。
実はその後も2台くらい買っているんですが、さほど使わずにどこかに行ってしまいました。期待したほど実用のレベルじゃなかったんだなぁ‥‥。
さて、その日だって必ず買わなければならない理由などなかったし、希望の色が在庫切れだったから、買わずに帰ろうかとも思ったのですが、また熱が冷めていざという時に猫の写真撮れなくなるなぁと思って、派手だけどオレンジのそれを買ったのでした。当時は浜崎あゆみのCMが印象的だったパナソニックのデジカメ、LUMIX DMC-F1です。
この頃にはデジカメもすっかり市民権を得ていて、それはつまり画質や使い勝手ばかりでなく、カラープリンタの性能も写真屋さんの対応も、記録メディアの容量や価格なども、まずまずのレベルになっていたんですね。
猫の写真を撮りました。写真を撮るっておもしろいなぁと思ったものです。きれいに写るし、SDカードに高速に保存してくれるし、それを簡単にPCにコピーできてしまうし、電池だってずいぶんもってたなぁ。十数年の年月はカメラの性能をかくも高いものにしてしまうのだなぁと驚きました。たった3倍だけどズームができたのも嬉しかったなぁ。
やがて息子の高校野球応援が本格化し、会報のことなどもあったから常にこのカメラを携帯するようになりました。何でもかんでも撮ってさえおけばいざという時どうにかなると思ったのです。たった3倍ズームですからプレーする様子なんて撮ってもつまらないんですが、ベンチの様子とか比較的近いところで別の視点から撮ればいいじゃないかと、そんなふうに考えるようになったことも良かったなぁと思います。
写真なんてほとんど興味がなかった自分でした。カメラって単純に「記録するためのもの」くらいにしか思ってなかったのですが、確かにそうであっても、その前に「楽しく‥‥」とくっつくようになったのです。楽しく記録する、楽しく撮る、そう思えるようようになったカメラが自分にとっては「最初のカメラ」なんです。
コメント