いろいろ考えてみても、結局Golfに落ち着いてしまうわけです。なぜそうなるのか自分でもよくわからないんですが、15年ほど前にCIVIC(でもShuttleでした)を手放して旧いGolfに乗り換えた時は、登場以来ずっとGolfらしさが変わらないことへの安心感みたいなものがあったからのような気がします。
そのときGolfはすでに第三世代へ突入していたんですが、第二世代(しかも初期型でした)がぜんぜん色褪せては見えなかったんです。当時の国産車は今思えばイケイケの時代でしたから、モデルチェンジのスパンが短く、もちろんマイナーチェンジもありますし、もうどんどん変わっていくんですよ。顔つきも容姿も中身も。これいいなぁと思って乗り換えの計画などしているうちにもっといい車が出てしまう。仮に買ったとしてもその直後に古臭い車に見えてしまうんですよね。それに堪えられなかった‥‥。
Golfは10年近くモデルチェンジしなかったんです。もちろん時代に合わせたフェイスリフトをしながら販売し続けるわけですが、それが自分としては安心だったし、そうやって乗り継がれているのは、車の性能そのものへの評価なんだろうという安心感でもあったわけです。
残念ながら自分にとっての最初のGolfは約3年で終わってしまいました。致命的なエンジントラブルだったのであきらめざるを得ませんでした。そもそも旧かったから仕方ないんですけどね。それでもまたGolfに乗りたいと思って同じ第二世代のほぼ最終モデルを探しました。今度は5年乗りました。ミッショントラブルで苦労しましたが、楽しさも味わったような気がしました。それまでずっと大衆車というイメージを払拭できなかったのですが、CIVICで言うところのsiグレードに相当するGTIなどの存在を改めて知って、細かい故障も出ていましたし、それで第三世代への乗り換えを考えた次第です。
ところがGTIではなくVR6に巡り会ってしまいました。大衆車・ファミリーカーからの脱却を画策していたわけですからもう決定的です。納車されて間もない日、うっすらと積もった雪がシャーベット状になっていました。その坂道を上ろうとしたらタイヤが空転してぜんぜんダメ‥‥。ヘタクソと言われればそのとおりなんですが、ほんの少しのアクセル加減でパワーをコントロールすることができないくらいだったんだよなぁ‥‥なんてことを思い出します。高速では路面に吸い付くような安定性を感じましたっけ。
そのパワーもいずれ慣れてきます。知ってる人は違いがわかるんですが、端から見れば普通のGolfでしかない‥‥。それでもまだまだ長く乗り続けるつもりでしたから、10万kmを節目にマウント類を交換し、足回りや排気系のカスタマイズをするなど思い切ってリフレッシュしました。自分としては見違えるような安定感にしっとり感が加わったようで、そりゃぁ大満足でした。
が、一方で水回りの老化はどんどん進行しました。それでなくても交換が必要な消耗品類なのに、あの狭いエンジンルームにV6・2.8Lのエンジンを積んでるわけですから、熱による劣化は相当なものなんですよね。足回りを強化したおかげで振動による傷みも増したような気がしています。修理工場への出入りが増えました。走るのが楽しくなった反面、走るのが申し訳なくなってきたような気にもなってきたんです。ポロのところで少し話しましたが、走れば走るほど維持費を心配するようにもなる。車なしでは生活できないところですからどうしようもない‥‥。
さぁどうしようか。Golfから離れられないんだったら、じゃぁ正しく乗り継いでいくしかないだろうって思いました。第二、第三と乗ってきたので次は第四世代だろうと。しかも、VR6の次はR32だっていうのは至極当然な流れでありましてねぇ‥‥。
先日、4のR32を見て排気音を聞いて改めてゾクゾクしました。こりゃぁすげぇなぁ、VR6の比じゃねぇなぁと思います。同じボディに一方では1.6Lのエンジンを積んでいるんですよ。そこに倍のV6・3.2Lエンジを積んでしかも4motion(フルタイム4WD)。
乗ってみてぇ‥‥という思いがある反面、自分の生活からするとある意味浮世離れしておりますから、逆にもうこういうのにムキになる歳ではないと決断させてくれたような気がしました。比じゃないとは言えVR6も然りだったんだよなぁと。どんなに手を掛けてもキリがないんだよなぁというのもあります。
R32、GTIに対する迷いもなくなりました。Poloのスポーツライン?なんかもそうです。未練がないと言えばウソになるんですが、例えばコンピュータも、でかいデスクトップをあれこれ拡張しては悦に入るなんてことがなくなりました。オールインワンの20インチiMacで充分だと思うし、MacBookでも充分になったんです。GolfもGolfのGolfらしいところに落ち着いてみようと‥‥。
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