明日があるさ

　歳を取ったせいか、決まりがつかないことがあると気になって仕方がない。そんなことは一つや二つでなくてたくさんあるんだけれど、並行処理ができない性格だから、今気になったそれが気になって仕方がないのだ。気になってあぁだこうだと悶々するばかりで、何か具体的な行動を起こすわけでもないから、結局何もすすまないし解決もしないで山積するばかり。場合によっては他人を巻き込んでしまっている‥‥。
　空を見ると落ち着く。だいたいの場合はとりあえず自己嫌悪に陥るが、雲がどんどん変わっていく様子はさながら自分を取り巻く環境の変化のようであり、明日また新しい日が来るんだからと、一旦は気にしないことにしようと落ち着くのである。でまぁ日々その繰り返しと‥‥。

　大きな取り組みはおおむね終わった。だけど小さなあれこれは相変わらず‥‥というより増えているような気がする。自分が蒔いたタネだからやむを得ない。が、ほんとうにそれでいいのかと自問自答することが多くなった。
　何かが終わるたびに、もうこれっきりにしようといつもそう思うのだ。が、我ながらつくづくバカだと思うんだけど、さほど経たないうちにまた別のことを始めている。意志が弱いということだな‥‥。明日があるさと思うようになるのだ。
　気になることが気になる。今のままでいいのかと自問自答する。が、明日があるさと逃げてしまう‥‥。明日はないかもしれない。いつまでもムキになっている場合ではない。体調も考えなければならない。引き継がなければならない。答えはおおむね出てくる。自分はもうその先の新しい明日に向かわなければならないのだから‥‥。
　鮮やかな夕空だった。何を心配する必要があるかとつくづく思う。自分が何もしなくたって、あんなに暗いどんよりとした空も、いずれ黄金のような輝きを放つ時が来るのだ。明日はあるのだ。答えは急がずともいいのか‥‥。