17〜18年前、当時のプリンタ(フォント)品質は格段にワープロ専用機が優ってたし、表計算だってできるし、パソコン通信できたし、ワープロ専用機で間に合ってしまうんだもの、コンピュータを使う意味がわかんねぇ‥‥などと言ってた私ですが、たった9インチのモノクロブラウン管に映る不思議な魅力に誘われ、Macintoshの世界に入りました。
その魅力は今さら言うまでもないのでやめますが、とりわけワープロソフトが驚くほど楽しかったのです。それまでは一元的な感覚でしかなかったのですが、テキストレイヤーとは別にオブジェクトレイヤーが存在し、それらを多層的に操作できるのです。オブジェクトそのものはゴムのように拡大縮小するし、テキストに至っては1ポイント刻みでたくさんのフォントを自由に扱える。しかもほどなくTrueTypeフォントが登場し、プリンタも一気に高性能化し、ワープロ専用機への未練などこれっぽちも感じませんでした。
ワープロソフトと言えば、当時はマックライトIIかEGWORDかという時代でした。どちらが良かったのかわかりませんが、それぞれの特性を意識しながら使い分けていたように記憶しています。ワープロには日本語入力プログラムが付きもので、MacVJEとか、EGWORDにはEGBRIDGEでしょうとか、それもまた好みで使い分けながら、今思えばむさぼるように使って覚えたものです。
Appleの系譜であるマックライトIIに対して、EGWORDは純国産のサードパーティ製品でありながら、Macintoshにおけるすばらしい日本語環境を提供し、独自の日本語ワープロ文化を創り上げてきたと思います。ちょっと違うんですが、Windowsにおけるワードと一太郎との関係に似ているかもしれません。
マックライトIIはやがてクラリスワークスという画期的な統合ソフトへと姿を変え、その後はAppleWorksに、そして現在のPagesへと進化してきました。一方のEGWORDは逆にずっとEGWORDであり続けながら、いち早くMac OS Xへも対応するなど老舗的なポジションを確立しつつ、実は着実にドキュメント作成のノウハウを熟成させるべく大きく変貌を遂げてきたように思います。エルゴソフトという会社、しっかりしてるなぁといつも思っていました。
いつの頃からか‥‥クラリスワークスが4になってからかなぁ‥‥EGWORDは使わなくなりました。嫌いではなかったのですが、互換性という点でほぼ純正のクラリスワークスを使わざるを得なかったんです。これもまた良い製品でしたし。以来バージョンアップすることもないまま現在に至っています。雑誌などで製品レビューなどを見て、さすがEGWORDだななどと感心したりしたものです。いつも気にはしていたのです。
OS X対応になってから機能はさらに向上したように思えて、実はもう一度使ってみようかなどと考えていたところなんですが、本日をもって販売を中止し、24年間に及ぶパッケージソフト事業を終了するとのニュースを聞いた次第です。なくて困るものではありませんが、何かひとつの時代が終わったような淋しさというか、とても残念な気持ちでいっぱいです‥‥。さようなら EGWORD。
大切なことを忘れていました。それは縦書き機能です。
現在のAppleアプリ・Pagesはちょっとクセはあるけれどもなかなか便利かつ高機能なワープロソフトです。が、元々海外のソフトを日本語にローカライズしたものですから、日本語の文化である縦書きができないのです。その前のAppleWorksなどを使えば縦書きはできるんだけど(でももう売ってないんだよね?)、最新のソフトが対応してないってのはちょっとなぁ。残念なことだけどこれは致命的‥‥。
しかしながらそこは国産のEGWORD。当然のようにOKなわけ。画像の上に載っけたテキストの透過率設定や水平比率の調整などなど、ページレイアウトソフト並みの機能だって備えているんですよね。たぶん表組みなどもPagesのそれとは格段に違う仕上がりが期待できるような気もしてる‥‥。
仕事でMacintoshが使えるなら、間違いなくEGWORDは真っ先にインストールしたでしょう。そうして事務だよりのようなものもどんどん発行したでしょう。実践がないのでナントカの遠吠えですがね‥‥。
投稿情報: hiromaru | 2008/01/29 19:54