今日は父の命日。明日が休みなら兄とまた飲んだかも知れないが、墓参りをして実家に寄って、お決まりの柏餅を仏壇に供えてきた。
間もなく40年になる。親戚の皆さんというか、おじさん・おばさんもすっかり歳を取り生活もそれぞれ大きく変わっただろうし、実家だってそれは同じだし、だから墓参りに来る人もずいぶん減ったようだ。自分だって線香をあげるくらいでしかない‥‥。
40年ってそういうもんだと思うが、変わらないのは父ちゃんがこの日を境にずっと三十代半ばのままだたということだけだ。手を合わせて目を閉じるとその父ちゃんが登場するんだけど、でもそれは三十代の父ちゃんではなくて、その歳をとうに追い越してしまった自分よりずっと年上の父ちゃんなんだな。不思議だ。
父ちゃんの好物ということでいつも柏餅を買っていく。でもホントに父ちゃんは柏餅が好きだったんだろうか‥‥なんて考えた。
確かに嫌いじゃなかったとは思う。ちょうど端午の節句の頃で、40年も前のことだし、みんなお見舞いに柏餅を持ってきたんだと思うんだ。食べたいもの食べさせようなんて時にさ、〇〇ちゃんの持ってきてくれた柏餅食べてぇなぁ、◎◎ちゃんの柏餅が‥‥、なんて気遣ったんじゃないのかなぁ‥‥ほんとはもっと好きなものがあったんじゃないのかなぁ‥‥なんて思うんだ。いや、そんなのはどうでもよくて、父ちゃんは柏餅が好きだった、それでいいんだけどね。
今日は母の日でもある。改まって何をするでもないし何もできないんだけれど、父ちゃんの好きだった柏餅でも食ってさ、母ちゃんも元気出してくれればいいかなと‥‥。
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