昨年10月上旬に創刊された「昭和タイムズ -64年の記録と記憶-」は、東京オリンピックを大きく扱った昭和39年からスタートしました。体育の日の頃に合わせたのもそういう意図だったのでしょうか。
毎週1冊ずつランダムに発売されてきましたが、前回の昭和64年、そして今回の昭和元年をもって全64冊が揃ったことになります。定期購読していたわけですが、正直なところだんだん疲れてきまして、後半はほとんど積んどく状態でした‥‥。創刊号こそ190円とリーズナブルでありましたが、2冊目以降は560円。トータルで35,470円もかかることを考え、何度やめようと思ったことか‥‥。今はあきらめず最後まで買い続けた自分を褒めてやりたいくらいです。
でも、終わってみるとそれなりの資料として使えるのは間違いありません。
例えば昭和元年の12月22日はどんなことがあったかと言うと‥‥、実はまだ大正時代でありまして、東京の永大橋開通式が執り行われたとあります。その3日後・12月25日に大正天皇が崩御、元号が昭和になったのであります。1926年、82年も前のことです。
じゃぁ50年前、1958年・昭和33年はどうかと言いますと、実は明日23日が東京タワー完成の日なのです(高さ333メートルというのは昭和33年にかけたものなんだろうか)。これに合わせた記念のライトアップが今月初めから始まっていたようですが、来年から新しいタワーの建設が始まるんですよね。
40年前、1968年・昭和43年の今日は、NHK沖縄放送局の本放送が始まりました。電波つながりでしょうか。この約2週間前に「3億円強奪事件」が発生しているんです。当時の宝くじ1等賞金は1000万円。前後賞を合わせた総額3億円となる今の1等と比べて考えれば、あの白バイ野郎はまんまと90億円も持ち逃げしたんだなぁ。10年後、昭和50年12月10日に時効成立。捜査対象者は約10万人、捜査費用は約10億円だと。
では20年前、1988年・昭和63年です。残念ながら12月22日には何の記事もありません。ソウルオリンピックの年でした。長距離界のエース瀬古敏彦選手が、五輪メダルに縁のないまま国際千葉駅伝を最後に引退しました。リクルート事件、潜水艦なだしお衝突事故、珍しいところでは日本初のコンピュータウィルス、民営化後初となるJR大事故は30秒遅れの責任を取り戻そうとATSを解除したためでした。この頃のことが何となく今に似ているような気がしないでもありませんが、とにかく何か狂ってきたような気がします。極めつけは11月末に決定した「ふるさと創生事業」です。国内の全市町村に一律交付した1億円でつくった日本一の滑り台、日本一の巨大水車、日本一の獅子頭、ロケットの模型、砂時計、純金こけし、タイムカプセル‥‥、見るに堪えないのです‥‥。
それらが今どうなったかを考えれば、定額給付金をばらまいたところでどうなるものでもないことは自明の理。まずは雇用対策をすすめるべきではと思うのですが‥‥。
さて、冒頭の昭和39年に戻りますが、高度成長期の真っ直中、海外旅行が自由化され、東海道新幹線が開業し、ホンダはV型12気筒エンジンでF1に参戦したのです。
44年後の今、高度成長とともに走ってきた新幹線0系がついに引退しました。環境問題もさることながら世界規模の不況がますます深刻化するばかりです。景気悪化のあおり(新型インフルエンザも影響?)で海外旅行は激減、大手メーカーの非正規社員解雇はいずれ正規社員へと波及しかねません。世界のホンダもF1撤退。それらを支えてきた・支えられてきた関連メーカー、中小企業‥‥。もう雪だるま式です。
切りも限りもなくなってきそうですが、昭和の64年間をそうやって振り返ってくると何かが見えてくるような気もします。今になって興味が湧いてきたりしています。すぐに飽きるタイプですが‥‥。
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