先週の日曜日、実家のじいさまがお茶を飲みに来たので、これはいい機会と、まだ残っていた1食分を茹でて召し上がっていただきました。うまい!という言葉は社交辞令じゃなかったんだろなぁ‥‥。
さて、前回・3年前は、蕎麦打ち体験後1カ月半も過ぎてから思い出しながら打ったわけですが、なんか微妙に忘れちゃっていたんですよね。忘れると言うより、何の予備知識もなかったので、どこの何がポイントなのかに気付かなかったから、大雑把なことしか思い出せなかったわけです。
そこで今回は、まだ記憶に残っているうちに写真を中心に自分の覚えとしてまとめておくことにしました。もし読者の皆様の参考になるようでしたら幸いです。
まず「こね鉢」ですが、高級品はどっしりしているんですが、それでも動いてしまうもの。私のような安物使いはもっとたいへん。ですが、下にこんな滑り止めマットなどを敷くといいんですね。これならどこかにあったなぁ。
蕎麦粉は500g。十割で打つので「湯ごね」にしますとのこと。二八の小麦粉のようなつなぎがないので、熱湯で粘り気を出すということです。
蕎麦粉を全体に広げて真ん中にくぼみを作り、そこへ熱湯200ccをくるっと注ぎ入れます。
周りや下の方の粉をかぶせるように混ぜ始めます。全般に水分が行き渡るようほぐすような感じで、ダマになっているところを手早くそっとつぶしながら粉に水分を行き渡らせます。すくい上げて軽くもむようにしながら、全体を細かいフレーク状にしていきます。[ここまで約3分]
粉を全体に広げたら、さらに80ccの水を中心から渦巻き状に加えます。これで280ccの加水となりました。加水率は56%です。一般には45%くらいと言われていますから、かなり多いと思いますが、理由を聞くのを忘れてしまいました‥‥。様子を見ながら5%に当たる25cc刻みで加水することも頭に入れておいた方がいいかもしれません。
なお、この段階でのダマはまだ指先でつぶす感じです。ムダにベタベタさせないよう手のひらではなく指先で全体に馴染ませていきます。
指先のベタベタも取りながら、馴染ませることから攪拌へと変えていくとやがて粒々になってきます。さらに手早く攪拌し続けていくと、それらがくっついて豆粒大になっていきます。
ここからは少しずつ力を加えるように攪拌していきます。[ここまで約8分]
すると豆粒や小さな粒々がどんどんくっついてゴロゴロしてきます。少し力を強めながらもうちょっとゴロゴロします。[ここまで約10分]
ゴロゴロのかたまりがピンポン玉くらいになってきたら、そろそろひとまとめにしていきます。
ギュッと力を入れて全体をくっつけ、(鉢全体を拭き取るように)粒々を残さないで手前の方に細長くひとかたまりにします。半分に折っては手のひらの付け根で押し込むようにこねていきます。
これまで自分でやってきた蕎麦と比べると、ずいぶんやわらかくていいんだということも分かりました。[ここまで約12分]
回すように練り込む「菊練り」ができればいいのですが、ハンバーグみたいに中の空気を抜くようなつもりで、手に取ってシワを取りながら丸い団子にしていってもかまわないそうです。
中の空気やシワを取り除くのは、伸していったときに割れたり穴が開いたりしないようにするためです。
実はこの段階でもっともっとこねていくのかと思っていたのですが、思ったほどではありませんでした。今まで自分は汗が流れるほど力を入れてこねてました。今思うと、どんどん乾燥させていただけだったのかもしれません。そう考えると、ここまでの作業はできるだけ手早くすることと言われている意味が分かります。[ここまで約15分]
さて、次は伸しの作業に移ります。こね鉢を片付けます。ついでに手も洗いました。その前に、蕎麦玉をポリ袋などに入れておくと乾燥を防ぐことができるということです。
伸し板に軽く打ち粉を振ります。手のひらの付け根あたりに体重をかけるようにしながら(一方の手も手の甲に添えながら)、蕎麦玉を丸くつぶしていきます。一気につぶすのではなく少しずつ回転させながら、中心部は少し残すような感じですすめます。
ただ、時間をかけ過ぎてしまうとどんどん乾燥していきます。ここも手早くです。[丸い玉から約1分]
約30cmくらいまで伸してきます。できるだけ均等な厚さ、丸く丸くを心がけた方がいいと思います。真ん中を少し残しながらやるのは、約20cmくらいまでの間に厚さや丸さを調整するため。中心部分から補ってやる感じ‥‥ですかね。[伸しの分ここまで約4分]
軽く打ち粉を振って、半分よりちょっと手前側から奥に麺棒を転がして伸します。もちろん力をかけなければなりません。
猫の手みたく指先を軽く握る感じで麺棒に沿え、手の位置は麺棒の進行方向に向かってハの字を描くように伸していきます。蕎麦の面積に応じて力が加わるようにするということかなと思います。指先を伸ばしたままにすると、爪で蕎麦をひっかいてしまう恐れがありますので注意。
これも少しずつ回転させながら均等に伸していきます。自分の場合、反時計回りに30度くらいずつ回転させるつもりでやるようにしています。まずは0時から1時の分、次は1時から2時の分、2時から3時、ここで90度分が終わりという感じです。もちろん楕円形になっていくんですが一周したときの丸をイメージしながらです。半分を過ぎると今度は次第に丸に近づいていくはずです。それがうまくいかないんですけどね。
薄く伸ばさないうちに、麺棒に巻き付け少し力を加えてゴロゴロさせ細長くして、これを逆方向と90度回転させて両方向に、都合四方に伸ばす「角出し」という方法で四角く伸す方法もありますが、今回は丸くしました。
もっとも、その丸い形もなかなか難しく、やや四角気味だったりするんですが‥‥。
均等に伸せていないと、薄いところがやがてヨレてきてしまいます。そこは早めに気付いて、付近の厚いところを伸せるようになればいいんですけどねぇ。
場合によっては穴が開いてしまうこともあります。あまり大きくなければ、裏側に打ち粉を軽く敷いて指先で押しつけるようにくっつけて補修できれると思います。
だいたい1.5mm〜2mmくらいの薄さまで伸したら終了です。爪楊枝くらいの太さの蕎麦をイメージするということですね。乾燥しないよう、できるだけ手早く伸すことがポイントです。[伸しの分ここまで約10分・計約25分]
いよいよ切っていきますが、切りやすいようにたたみます。全体に打ち粉を振って薄く伸ばします。打ち粉が均等であれば、こうして手で伸ばす必要はないでしょう。
最初に、右から左に半分にたたみます。手だけで持ってくると破れてしまいますから、麺棒を蕎麦の上に縦に置いて、右端をくるっと麺棒に軽く巻き付けて(一回りはしません)、手で押さえたままスルスルッと左に持ってきます。これで半分になります。
さらに、半月状の蕎麦にまた同じように打ち粉を振ります。奥の方から手前に、今度は手だけで一気に半分にたたみます。これで四分の一になりました。
また打ち粉を振って、今度は手前から奥に半分にたたみます。ご覧のような細長い状態にたたみ上がります。[たたみの分約2分・計約27分]
まな板を置いて、打ち粉を蕎麦の大きさと同じくらいの面積に振ります。まな板がそれほど大きくない場合は、中央ではなく右側寄りにした方がいいでしょう。駒板をあてがって切っていくと、左に余裕がないと駒板がカクンと落ちてしまうからです。左利きの方は、先ほどのたたみ方も含めて逆になります。
そこにたたんだ蕎麦を置いて、さらに打ち粉を振ります。
駒板をあてがい、手前から奥の方に押すように切ります。引いて切るのではありません。
すっと押して切ったら、手首を少し内側にひねるような感じで包丁を切り進んでいく方向に傾けます。それで駒板が数mmずれて次の蕎麦が切れるようになるというわけです。力を抜いてほんの少し、1.5mm〜2mmくらいの感覚と間隔をつかみましょう。
最初のうちは、細さよりも幅が均等になるよう心がけた方がいいです。太い蕎麦と細い蕎麦ではゆで時間が異なりますからね。
なお、写真では人差し指もいっしょに柄を握っていますが、人差し指を突き出して包丁に沿えるようにするといいです。たぶんぐらつきにくくなるんじゃないかな。
今回、自分の蕎麦はこんな感じでした。これでだいたい4人前です。後半ちょっと太めになってしまいましたが、中盤まではうまい具合に進んだような気がします。遅いなりにも一定のリズムを心がけることが大切かもです。[切りの分約6分・計約33分]
だいたい35分〜40分くらいでできるようです。それくらいの時間で手早く終えるようにしたいものだと‥‥。
ここの体験では、自分の食べる分を茹でて、残りは1人前ずつ紙にくるんで箱詰めしお持ち帰りになります。
打った蕎麦をたっぷりの熱湯で茹で上げます。パラパラとほぐし入れて約40秒、蕎麦が浮き上がってきます。これをすくって流水に浸します。さらに軽く洗うようにぬめりを取り、しっかりと水を切ります。
自宅の場合、大きな鍋もなければ火力も強力でなかったりします。できるだけ大きな鍋にたっぷりとお湯を沸かし、1人前ずつ50〜60秒茹でるようにします。
おいしそうな蕎麦ができました。天ぷらは予め準備されているものですが、海老も舞茸もどれもボリュームがありました。
それにしても自分で打ったものだと思うとなおうまいです。今年の年越し蕎麦は自分で打とうと思ったお父さんが何人いたことか。そんなに高価なものでなくてもいいから、まずは蕎麦打ちセットがいいんじゃないかな。もちろん自分は蕎麦粉を仕入れてきました。電話連絡すれば送っていただけることも確認してきました。
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