夕方4時20分、キャンパス内の木立を抜けていこうとしたらものすごいセミの声につい足が止まってしまった。よく見たら、いやよく見るまでもなく、セミが木々にびっちり止まっているのがわかった。セミだけじゃなくてその抜け殻までも縦一列に点線状に引っ付いていたりして、あわててデジカメを持ち出してその様子をのぞいているうちに、この木立はオレが立ち入る世界ではなかったのだと気付いた。
研修講座が終わってホッとした。受講する側としては、地区の事務研などはもちろん事務所など主催の研修会以上に、質の高さや幅の広さを期待して臨むわけだけれど、その期待される講師の側の一人として考えたとき、そこも自分が立ち入る世界ではなかったのではないかと、後悔や陳謝の念に苛まれたりしないでもない。
開き直るわけではないけれど、今日の中身はどうであれ、地区の一体的な取り組みは嘘偽りのない事実であるし、その結果他地区に負けないくらいの成果を上げているというか、現実は美辞麗句でオブラートに包んだようなものではなくてすっげ土臭いけれど充実感のある活動が展開されているということが、自分としては大きな自信であったりする。
このことに限らず、大きな範囲で展開できたらきっとおもしろいのかもしれないが、いわゆる自分のテリトリーなんてそんなに広いものではないと思うから、広くなればなるほどその思いは薄まってしまいかねない感がつきまとう。だから薄めてもなおエキスがぎゅっと詰まっているかのような、蝉時雨が深く染み入るかのような取り組みにしていきたいと考えたりするのだ。
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