最後の給食

　新年度から隣の小学校に新設される共同調理場で３校分の給食が調理されることとなる。さまざまな情勢によるものだが、一番の理由は人件費の削減である。これまでは２人で調理をしてくださっていたのだが、１人はその共同調理場で引き続きお世話になる。もう１人は定年による退職‥‥。
　今日が本年度最後の給食だった。自校での最後の給食だった。メニューは定番中の定番、カレーライスだった。いろんな都合があり、今日はその退職なさる方が１人で調理をしてくださった。だからほんとに最後の給食だったのだ。

　しっかり噛んで良く味わいながら食べるつもりだったが、やっぱカレーは一気に食べたいもの。気が付いたらあっという間に平らげてしまっていた‥‥。何だか申し訳ないという気持ちと、やっぱうめぇなぁという満足感とが交錯するような感じだったが、結局のところは残さず食べることだから、うまいうまいと食べてこそ感謝の気持ちだと自分で納得する。
　小さい頃、あまり好きじゃない給食だったが、今や何よりの楽しみである。できたてが食べられたし。４月からのことをとやかく言っても仕方ないからやめるけど、とにかくこの味は一旦終了なのだ。
　うまかったなぁ、ありがたかったなぁ、そう思ったので、名札代わりのクリップに挟んである紙片のすみっこに、その旨を書いてお膳を下げた。
　長い間ご苦労様でした。おいしい給食が何よりの楽しみでした。ありがとうございました。

Comments

[投稿情報: わに]

ちゃんとお昼にありつけることが
あたりまえのように感じて
そのありがたみを忘れてしまう人が多い昨今
（職場でもそう）
ちゃんと分かってくれるってすばらしい
メモを渡された職員の方の喜ぶ顔が目に浮かびますです

[投稿情報: こうらん]

ﾟ.+:｡(*-ω-)(-ω-*)ﾟ.+:｡ｳﾝｳﾝ 　感謝の気持ちは伝わっていると思いますよ＾＾
なんか、気ぜわしい時季ですね、忙しいでしょうねぇ。

[投稿情報: hiromaru]

やっぱり食欲が一番ですから、それを毎日きちんとやっていただけるのは
ホントにありがたいことです。
小さなところですから、そういう姿も顔も見えるし、たいへんさなどまで
伝わるんですよね。
４月からは別のところで調理されて、たぶん早めに配達されるんだろうと
思います。そういう状況を知っているから、当面はあぁたいへんだなぁっ
て感じるだろうと思うんですが、日が経つに連れて顔もわからなくなって
いくだろうし、それこそ当たり前にしか感じなくなるだろうし、そうなっ
てくると‥‥なんて残念なことも考えないではないというか‥‥。
もっとも、そのうちに統合なんて話になってくるんだろうからなぁ‥‥。