自分がこの仕事に就いたとき、ササキさんは同じ地区にご勤務なさっていて、研究会の先輩として何かと助けていただくなど、とても頼りになる方だった。自分はやがて地元に戻った。実はササキさんも言わば「同郷」で、その後幾度となくお会いするたびに、失礼ながら「ぜひこちらに戻ってきてください」というお願いもしていたんだけれど、ササキさんは結局その地区で定年退職を迎えた。
ところが、再雇用という形でこちらに戻るようなこととなり、我々研究会の仲間としてササキさんは活躍してくださった。あの頃のこともあってか、自分は人一倍声もかけていただいた。
我々としては、何をさておき一番前で思いっきりやってほしいという思いはあったんだけれど、裏方に裏方に徹しようとする様子は相変わらずだなと思ったものだ。ササキさんにしてみれば、若い我々を(もう若くはないんだけど)いろいろな場面で引っ張り、押し上げようとしてくださっているのだと痛感することが少なくなく、ただただ感謝するばかりだった。そしてこの春、再雇用もいよいよ終えお別れすることとなった‥‥。
今朝方、年賀状を書くためにこの1年間に届いたハガキや手紙を整理した。その中にはササキさんからいただいた退職の挨拶状もあって、今頃こんなことをしている自分が何だか恥ずかしく思え、苦笑するササキさんのあの様子を思い出したりしていたのだ。勢いのある独特の文字が何だかとても懐かしい‥‥。
そのわずか数時間後、ササキさんが亡くなったとの訃報が届いた。そんなことがあったばかりだっただけに、めちゃくちゃ驚いたし、とにかくショックだった‥‥。
いよいよ自分の好きなように生活できる‥‥って言ってたのに‥‥。
自分も何だかそんなに長くは‥‥なんて弱気になったり‥‥。
正月を迎えるため、今日はいろいろと片付けるぞと意気込んでいたんだけど、ちょっと気力が湧いてこない‥‥。こんなんじゃダメなんですよね、ササキさん‥‥。するとまたあの笑顔が‥‥。でも一生懸命やってきたのに、人生ってそういうもんなんでしょうかね‥‥。え?ササキさん‥‥。
でも、それがどうであれ、やり切らなくちゃならないんですよね‥‥。
ササキさん‥‥。
ほんとうにありがとうございました。
ササキさん‥‥安らかに‥‥。
ご冥福をお祈りします。
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