本人確認法施行令などの改正により、この1月から10万円を超える現金送金などの際、金融機関などでは本人確認が義務付けられました。マネー・ローンダリングだのテロ資金対策だの預金口座不正利用だのって、まぁ国民の大半は関係ないと思うんだけど。
実は数日前、郵便局で10万円を超える払込をしようとしたんです。数年来、ボーナス月は指定の払込取扱票(払込料金加入者負担の赤いヤツ)でローンを返しているんですよ。家計をやりくりしてくれる奥さんが昼休みに郵便局へ出向いてポン!と支払おうとしたわけです。が、私の名前なもんだから本人じゃないと門前払いされたと。12月まではそうやってきたんですけどね。まぁ困ったもんです。
振り込め詐欺とかも含めて世の中たいへんだから如何ともし難いものではありますが、善良なる市民である大半の方々が迷惑を被る制度とはいかがなものかと、そう思うであります。
仕方がない、じゃぁ暇を見つけて私が出向くしかなかんべと、10万円を超える大金を預かっていたわけですが、本日ちょっと時間があったので郵便局に赴きました。時間があると言っても5分10分くらいだから、言われる前に健康保険証をサッと提示しました。
サッと提示したとは言え、実際には窓口で数分待たされてからの話。会議に出かける前にやってしまおうと思ってのことだから、あとはパパッとやってくださいよと、少々焦り気味になってきたのでした。
コピーを取らせていただいてもいいですか? 別にどうってことはないんだけれど、私であることをその場であなたが確認したわけだから必要ないでしょうと私は思うのです。本人確認のためではなくて、本人確認のために何を見たかを明らかにするためであり、それは郵便局(金融機関)の都合でしょうと思うのですが、時間もないことだから「はい」と答えました。
まぁこれで間に合うだろうと思ったのですが、すでに印字されている払込票の住所は自宅ではなく以前の職場の住所なのです。それが一致してなかった‥‥。住所が違っていますねと言う局員の様子がおかしい。はい前の職場ですと答えるけれど、もうダメだなこりゃと悟りました。局員さんは上司とおぼしき方に何やら相談していますが、さすがにもう時間がなくて、奥で話してるお二人に向かって「もうけっこうですから」と、即座に払込票もお金も返してもらって会議に向かいました‥‥。(T-T)
この払込票に対して、私本人であることを私自身が証明することはできないと思うのです。っていうか、何をどうすればいいのかわかりません。捨てぜりふ的に「じゃぁ払い込みできないわけですねっ!」なんて言ってしまいましたが、大丈夫なんですがもごもごと口を濁す様子にまた憤慨したり‥‥。
家に帰って改めて金融庁の「はやわかり本人確認法」なんてファイルを眺めたりしているわけですが、その目的は「金融機関の顧客管理体制の整備を促進することで、捜査機関によるテロ資金や犯罪収益等の追跡のための情報を確保し、金融機関がテロ資金供与やマネー・ローンダリング等に利用されることを防ぐこと」と明記されています。私はてっきり市民を守るための法律だとばかり思っていたわけですが、要するに捜査機関や金融機関を助けるためのものなんですな。
ですから、本人確認についても、本人であることを確認するということが主ではなくて、「本人確認をしたらすぐに確認記録を作成し、口座を閉鎖してから7年経過するまで保存する」という義務を果たすことが主であり重要なわけです。その確認記録には、いつ誰がどうやって確認しどのような取り引きをしたかを明記しなければならないのです。
じゃぁ本人が「コピーしちゃダメ!」などと拒んだらどうするのかというと、逆に金融機関はだったらお取り扱いできませんと拒むことができるわけです。確認記録作成が法で定められた義務なんだったら、「コピーよろしいですか?」なんて聞くまでもないんじゃないの?と思うんだなぁ‥‥。
それにしても、法律というのはいったい誰のために存在するんでしょうね。私は法律というのは原則として弱いもののために・市民のためにあるものだと思ってきたんですが、昨今それもずいぶん変わってきたんだろうなぁと感じました。何でもかんでも白黒つけるためだけに深い審議もされないままどんどんどんどん新しい法案が成立しています。表面だけ見ているとさも自分の身や生活が保障されるかのような気がしますが、実はほんとのところは違う趣旨だったりする法案もないとは言えないなと、そんなふうに思います。ハナっから反対して物別れみたいになって強行採決なんてことではなくて、急ぐ必要はないんだから、お互いにじっくりと時間をかけて議論されなければなりませんよね。そういうことをしないから市民には伝わらないし関心を示さないんだし政治離れもすすんでいく。それじゃぁダメだよなぁ‥‥。
さて、自分も「けっこうです!」なんて引き上げたけれど(でも会議開始数分前に到着できて良かったっす)、放っておくわけにはいかないのです。明日また時間を取って行ってみようと思うのですが、住民票も免許証も意味がなさそう。そうか、辞令を持っていくしかないのか‥‥。
で、一度本人確認をすれば次回からは局員さんとの面識などから本人確認の手続きは不要になります。でもなぁ、そこで勧誘されて簡易保険入ったり、何度となく書留郵便などを受け取ったり(本人確認してきたよなぁ)、もちろん貯金口座もあるし、仕事で用足しに行くことも少なくないんだけど、それでもダメだなんてなんだかガッカリだよ‥‥。
叩いたキーの数に比して
憤懣やるかたないといったところでしょうか
私も少し前、相続に関する手続きで
同じような感想をもったことがあります
銀行での手続きは我々でなく
預けた側をまもる為のものであること
それに伴う添付書類の請求費用は全部こちら持ち
窓口の対応は慇懃無礼そのもの....
このままではコメントの文字制限を越えそうなので
やめときますが
最近不満がつのることがあり過ぎです
投稿情報: waniko | 2007/07/05 08:01
写真もねぇ、笑いもねぇ、漢字ばっかの黒っぽい画面が、その憤りぶりを表してるかもですね。(^^;
そういえば昨日財形貯蓄の話を聞いたんですが、住宅貯蓄などで目的外の払い戻しなどをすると
遡って利息に課税されますが、まぁ今は利息少ないからどうってことないだろうと、その程度の
認識だったわけです。でもどうせなら目的に応じて払い戻すのがいいだろうと。
ところが、目的に応じて払い戻す場合には、例えば登記簿謄本とか住民票とかあれこれ必要な書類を
揃えて申し出ることになるわけで、その費用は目的外で利息に課税される額よりも大きくなってしまう
ことがほとんどらしく、これもまじめにやると馬鹿を見る制度だなぁと思いましたね。
本日改めて郵便局に出向きました。いやいや昨日は時間がなくてどうもどうもなどと愛想良くね。(^^;
でまぁ結局は保険証で確認できたからと、そういうことで落ち着きました。昨日の話とは微妙に違うんだけど
それでどうのこうの言ってどうなるものでもないから、御礼を言って送金していただきました。
実は辞令まで持ってきたんですが見なくていいですかなどと聞いてみましたが、局員さんももうどうでも
よさ気っぽい感じで‥‥。
ただ、もう一度12月に同じことがあるんですが、これで確認できたのですからもういいんですよねと念を
押したのですが、またその時にということだそうで‥‥。信用ねぇんだなぁ‥‥。
今日はそれ以外に自分の身分を明かすものがないじゃんという話も出て、それもどうしたものかと
考えさせられます。どこそこの誰それですと言ったところで、それを証明できないのですから困ったもの。
投稿情報: hiromaru | 2007/07/05 23:23